2021-08-16 大正5年創業、釧路市の老舗水産加工「おが和」の開発力に迫る|HFT9

大正5年創業、釧路市の老舗水産加工「おが和」の開発力に迫る|HFT9

現在、世界中から注目されている「北海道ブランド」。

広大で豊かな大地とパイオニアスピリッツから生み出される名産品の数々は、多くの人々を魅了して止みません。

雄大な自然が広がる北海道は正に食の宝庫です。

厳しい気候と向き合い、時には調和し、時には抗いながらも大切に育てられた野菜や果物や穀物。広大な大地で安全に育て作られた畜産や乳製品。栄養豊富な大洋から水揚げされる新鮮な魚介類。その他、様々な自然の恵みが私たちの生活を豊かに彩り、充足をもたらしてくれます。

そして、その恵まれた素材や原料を活かした魅力的な加工食品も多く製造されています。

ライズ北海道では、道内において優れた食への取り組みを行っている企業や団体、また個人も含めて「北海道食宝」としてご紹介しています。

北海道の食産業に携わる方々の情熱や想いを知り、それを感じて頂くことによって、一人一人が刺激を受けたり、インスパイアされる。それが北海道全体の昂りや興隆に繋がればという願いを込めて、生産者さんを取材し、情報発信を続けております。

さて、今回の取材でお邪魔したのは釧路市で水産加工を営む「おが和」さんです。

大正5年創業と100年以上の歴史を持ち、道産素材にこだわったものづくりで有名な老舗加工会社さんです。

 

この記事の中では、ユーザーの声を大切にしているという商品開発、そのこだわりの“ものづくり”について迫っていきたいと思います。

お忙しい中、お時間を頂き、専務の小川さんにインタビューをして参りました。

商品開発への想いや新商品の開発秘話など、こだわり満載のインタビューをご覧下さい。

 

株式会社おが和 取締役専務 小川衛治さん
取材=山本、吉本(撮影)

創業の経緯・歴史・企業理念について

〔インタビューイー|㈱おが和 小川専務〕

山本)お忙しい中、お時間を頂き、ありがとうございます。本日はどうぞよろしくお願い致します。

小川専務)遠くからお越し頂いてありがとうございます。こちらこそよろしくお願いします。

山本)早速お話を伺いたいと思います。御社は非常に長い歴史をお持ちですよね。

専務)曽祖父が盛岡から来て大正5年に創業したので、今年で105年になります。初めは水産加工品の仲買を中心にやっていて、その中で製品も作っていたそうです。それまで世に無かった「鱈のすき身」を作ったのがこの初代です。元々、頭が付いたままのフィレのようなのはあったのですが、当時は冷凍技術が無いものですから、塩をがっちり入れて鱈を塩漬けにし、頭を取ってフィレ状にしたものを開発しました。それが初代の正次郎です。

吉本)初代は昭和天皇のために鮪をさばいたそうで。

専務)そうですね。皇太子として来釧された際に鮪の身おろしをして御高覧賜ったそうです。

山本)凄い歴史をお持ちですね。では二代目はどのような方だったのですか?

専務)二代目は私の父、小川一兵衛です。父は長い間、地元の百貨店「鶴屋」で取締役を務めていましたが、その後に独立をして設立したのが今の会社の原型です。一兵衛の長男で現会長の小川一典が三代目、その長男の一知が現社長で四代目になります。私は一典の弟で専務を務めております。

(㈱おが和本社・工場・直売所)

吉本)最初からこの場所で事業を始めたのですか?

専務)元は違う場所でした。最初は自宅を改造したようなところから始まっています。30年くらい前にここに移りました。

山本)企業理念をお伺いしたいのですが。

専務)社是は「人の和、誠実、創意、感謝を以って、日々成長する理想の会社をめざす」というものです。お客様の喜びを第一に考え、食文化に寄与できる様に品質を追求して、技術の研鑽も重ねていきたいと取り組んでいます。

商品開発への取り組み・想い・こだわりについて

(加工作業中の一枚)

山本)専務は開発のご担当ですね。

専務)隔世遺伝なのかも知れませんが、私は新しいものが好きで楽しみながら開発している感じです。私が開発、一典が営業担当です。社長は北海道物産展を中心に回っています。そこから集まった情報をフィードバックして開発に生かしています。

山本)お得意な分野で適材適所、棲み分けで経営をしていらっしゃるのですね。

専務)そうです。そんな家族経営的な会社です。そのような感じで毎年、年に一回、新しい商品を開発しています。作っても鳴かず飛ばずですが(笑)

山本)また、ご謙遜を(笑)。専務のものづくりへの想いはどこからきていますか?

専務)群馬の大学に進学したのですが、当時、群馬県伊勢崎のスーパーで釧路のかまぼこが売られていました。「丹頂かまぼこ」という製品です。それを見て、釧路の製品が遠く群馬でも販売されている、全国に広まっているんだということに衝撃を受けました。そして、もし釧路に帰ったらこういう仕事に携わりたいと思いました。それが原点です。就職活動もしましたが、最終的に釧路に戻ることになり、社長である父と兄が小売をやっていたので、じゃあ私はものづくりの方をやろうかということで今に至っています。

吉本)それぞれに得意な分野を担当されたのですね。

専務)そうだといいのですが(笑)。初代は職人、二代目、三代目は販売を担当しています。

山本)初代が魚職人として仲買と、ものづくりを。二代目が百貨店のご経験から販売を、三代目も販売中心で、専務が開発をご担当され、現在の四代目も販売中心という歴史ですね。

専務)皆で切磋琢磨してやっています。

(幣舞橋-釧路市)

山本)商品開発は簡単では無いですよね。

専務)そうですね。出来た時は「これは売れる!」と思うのですが、出してみると競合があったり、価格面でも苦戦したりと。原材料を厳選しているものですからやはり高くなってしまうので。釧路市民にはよく、当社の製品は人に贈ったら喜ばれるけど、結構贅沢な食べ物だよねと言われます。耳が痛いところです(笑)

山本)そうですよね。素材にこだわるとどうしても高くなりますよね。

専務)ええ。東京辺りの人は、この値段なら購入すると言ってくれますが、地元の人は釧路にいれば新鮮でいいものが食べられますからね。別に「おが和さん」じゃなくてもいいよと(笑)

山本)舌が肥えているんですね。釧路市民を満足させるのは大変ですね。

専務)そうなんです。それが一番大変ですね。その中でも地元の人にも喜んで貰えるものを作りたいと思ってやっています。

山本)やはり開発にはユーザーの声や意見が重要なんですね。

専務)そうですね。情報量が重要ですね。工場に閉じこもって一人で考えてもなかなかいいアイデアは浮かびません。例えば北海道物産展で「つぶ貝のラー油漬」の売れ行きはどう?と聞くと結構売れていますし、本当に人気があるんだなと実感します。様々な意見も入りますし、やはり現場の声が一番ですね。

山本)お客様のニーズを吸い取って形に変えるということですね。

専務)はい。作り手だけの一方的な想いでつくっても駄目ですね。これでいこうと思っても色々な声があるので。「つぶ貝のラー油漬」についてはピーチ航空の関係で30歳台から40歳台の女性をターゲットに開発しました。色々な情報を参考にして少しマイルドな味付に仕上げています。

(商品について語る小川専務-直売所にて)

山本)人気の商品を教えて頂けますか?

専務)一番人気なのは「紅鮭ししゃもっ子」で紅鮭のフレークとカラフトシシャモの卵をマッチさせた商品です。これが北海道物産展では好評です。「たこの本わさび漬け」はJALの国際線ファーストクラスで採用された実績があります。ニューヨーク便やオーストラリア便の機内食として使われました。

山本)ワールドクラスですね。

専務)それが続いているかと言われれば難しいところもありますが、積み重ねていけるように取り組んでいきたいと思っています。

山本)ヒットの秘訣はどんなことだと考えますか?

専務)イカの沖漬けが売れているということで、当社でもつくってみたところ、やはり売れました。既存のものをつくるのは得意です。オリジナルではないですけどね。

 

(すじめさわやか煮-直売所より)

吉本)ニーズがあるものを作って売るという戦略ですね。

専務)そうですね。やはり売れるものの情報を集めて、それを作るということですね。基本ですね。何も市場の無いところに商品をポンっと出して普及させて売るというのは大変なことなんですよ。当社のような規模の会社では難しいことです。「すじめさわやか煮」という長く作っている商品があるんですが良い物なのにあまり売れません。当社の規模で宣伝してもなかなか難しいんですよ。

山本)商品名からどのようなものなのかイメージがつきませんね。

専務)そうですよね。なので当社のような会社は市場の中で売れているものを作ることが重要だと思います。ラー油漬けも定番化されているので。

山本)なるほど。市場があるものに独自のテイストを入れてつくったのが「つぶ貝のラー油漬」ですね。味のイメージがつくし、独自性もあります。

専務)そうですね。そういったことを頭に入れながら商品開発をした方がいいんじゃないかと思っています。

吉本)そこから「つぶ貝のラー油漬」というシンプルな商品名になっているのですね。

専務)商品のイメージがストレートに伝わるようにしました。いかの沖漬けの商品で「沖あかり」という商品をつくりましたが、どんな商品なのか分かり難いですよね。その反省もあったので、この商品についてはストレートに伝わるようなネーミングにしました。

つぶ貝のラー油漬について

(直売所で販売中の「つぶ貝のラー油漬」)

専務)今回の「つぶ貝のラー油漬」ですが、釧路空港でお土産になったのが久しぶりなんですよ。

山本)味はもちろんのこと、180日間常温保存可能というのはお土産にはもってこいですよね。

専務)そうなんです。MOO※はご存じですか?(※釧路フィッシャーマンズワーフMOO)

吉本)幣舞橋の近くのショッピングモールですよね。

専務)そうです。そこの当社の売場で商品を売るにあたり常温対応が必要だろうということで開発したのが「つぶ貝のラー油漬」です。当社の商品の多くが、メインの商品も含めて冷蔵なんですよ。釧路空港でお土産を売るにしても瓶詰だと重いし割れる心配もある。そういうところから軽くて常温保存できて北海道の素材を使った「つぶ貝のラー油漬」の開発に至りました。

山本)冷蔵発送だとチルド料金も掛かりますしね。

専務)販売店で取り扱って貰うにも冷蔵商品は競争が激しいですが(売場が限られる)、常温品だと扱って貰い易いということもありますし、常温品の方が流通面でも有利です。賞味期限の部分でも20~30日しか持たないものでは売れ残りのリスクがあるので、常温で半年持つ方がお店側もリスクが少なくなりますしね。そういうことからも今後は常温品に力を入れていきたいと思っています。

山本)開発がスタートしたのはいつ頃ですか?

専務)切っ掛けは2018年です。釧路空港にピーチ航空が就航しました。関空からの直行便です。これに合わせて観光客向けに道産スイーツに負けないような商品を作りたいと思い、パッケージにもこだわってみました。

山本)確かにパッケージ素敵ですよね。

専務)お土産の並びで見ると水産加工品のパッケージはスイーツに負けているんですよ。やっぱり北海道はスイーツ王国ですからね。昔は水産の北海道と言われていたんですが、それがいつの間にかスイーツが中心になってきて。

山本)道産スイーツは人気がありますからね。

専務)ですよね。それなら釧路は水産加工で行くぞと、魚介の町だぞということで開発しました。

山本)元々、冷蔵タイプの「つぶ貝のラー油漬」を作っていましたよね。

専務)元々ありました。だた、それとは製造方法を変えて違う形でやらないと出来ません。冷蔵品をベースにそのまま熱を掛けて常温品にしても全然駄目なんです。原則として知床の羅臼昆布を入れるという基本は同じですが、レシピも中身も全部考え方を変える必要があります。つまり別物ですね。

山本)一番苦労された点はどこですか?

専務)やはり加熱の温度帯と時間ですね。120度くらい掛けられればかなり日持ちするのですが、熱を掛け過ぎると味が壊れてしまいます。色も黒ずんでしまうので、変色し難い糖分を入れたりと色々考えなければなりません。そのバランスが最も難しい点です。

山本)様々な条件で試験をされたわけですね。

専務)そうですね。やはりこういった商品を開発するには年単位の時間が必要です。

新型コロナウイルスの影響について

(梱包作業中の一枚)

専務)「つぶ貝のラー油漬」の販売を開始したのが今年の2月です。コロナ禍の中での船出でした。スーパートレードショーがあったものですから、これに持って行けば何とか花開くのかなと。そうすると“家飲み”の需要があったので関東の高級スーパー「シェルガーデン」や埼玉の酒屋チェーン、JR東日本の上野駅や秋葉原駅にも置いて貰えることになりました。

山本)関東での販売ですか。凄いですね。

専務)ありがたいことです。2月から5月くらいまでは釧路空港の規制があったり、販売して貰っているお店が閉まったりと厳しいところもありましたが、その間、関東の方では3,000個程売れました。
ネット関係も好調でしたし百貨店でも色々売れました。商工会議所さんの特別支援サイトからの問い合わせも多く頂きましたし、色々な方に協力して貰ったところもあるのかなと思います。今では釧路空港も徐々に再開してきて3店舗くらいに出していますし、釧路駅やこの辺の道の駅でも割と好調です。そのお陰でコロナ禍でもぼちぼちやっていけていますね。

山本)凄い売れ行きですね。原材料が足りなくならないか心配です(笑)

専務)まだまだ大丈夫です(笑)。コロナの影響で原料自体も売れないようですから。

他、最近はネットの関係で輸出しませんかという話も来ていて、台湾などにアクションを起こす準備を進めています。

山本)いよいよ海外進出ですね。

専務)上手く行くようにやってみたいと思っています。

原料について

(㈱おが和-直売所)

専務)「つぶ貝のラー油漬」には手作りの原料を使っているんですよ。当社に「つぶ貝のやわらか煮」という商品があるんですが、原料は“灯台つぶ”を使っています。対して「つぶ貝のラー油漬」には“ケツブ”を使っています。珍味などに使われているつぶですが、灯台つぶと比較して半値以下で手に入ります。これを活用してつくろうということで開発を始めました。

山本)実は私の父も叔父も漁師でして、過去に叔父の船に乗って1ヵ月間つぶ漁師をやっていたことがあります。毎日つぶを取っていたので多少分かります(笑)

専務)専門家ですね(笑)。ではご存じかも知れないですが、ケツブは安価です。ただし、独特の臭いがあって、そこが短所なんですよ。それを抑えるためには割と強めの味付をしないと駄目で「つぶ貝のやわらか煮」みたいにあっさりとした味にすると旨味に返ってこないんです。なのでケツブの特徴を生かしたものをつくろうということで“ラー油漬け”の形に辿り着きました。

吉本)原材料にも凄くこだわっていらっしゃるのですね。

専務)そうですね。やっぱり北海道産にこだわっています。

山本)ケツブはあまりスポットが当たっていない原料なのですね。

専務)安いこともあって加工筋、珍味では結構使われています。安いと言ってもそれなりにはしますが。今まではあまり回ってこなかったんですよ。でもここ5年くらい前からですかね、灯台つぶが危機的な状態で獲れなくなってしまったので、ケツブの利用が増えているという現状です。

山本)これからの時代は特にコストの抑制が重要になってくるのでしょうね。

専務)そうですね、当社で初めて加工から手掛けたのが「いかの沖漬け」でした。これは昔は良く売れました。当時は1本500~600円位でしたが、それが今は1,200円になっています。原料高騰への対応は我々にとって死活問題です。

ノーステック財団の支援について

(「つぶ貝のラー油漬」パッケージ)

山本)パッケージ本当にいいですよね。

専務)ありがとうございます。これは社長のイメージが原点になっています。実はこのつぶの絵は社長が描いたものなんです。

山本)えっ?!社長がご自身で?かなりお上手ですね。感服しました。

専務)但し、パッケージ全体の印象について本人が言うには「あまり自分のイメージが反映されていない」ということでした(笑)。もっとレトロ感があるものにしたかったようです。

山本)そうなんですか。素敵だと思いますけどね。懐かしい感じがあってそれでいてちょっとポップで。

専務)そう言って頂けると嬉しいです。スーパー「シェルガーデン」からは中身が見えないので売りにくいという意見もありましたが。

山本)確かに。透明なフィルムで窓が付いていて、中身が見えるタイプのパッケージもありますよね。

専務)それは今後の課題ですね。商品としては180日間常温保存可能というものなので、簡単にバックに入れて持ち運べますし、邪魔にもなりません。

山本)手土産としては非常に便利ですよね。このパッケージデザインについてはどのような進め方をされたのですか?

専務)ノーステック財団さんに支援を頂きました。

山本)ご相談したのですね。

専務)それがちょうど開発中にたまたま訪問がありまして。

山本)たまたまですか?

専務)はい。実は過去に「すじめさわやか煮」の開発でお世話になっていたのですが、丁度その時、道東の生産者を巡っていたようで、ノーステック財団の水沼部長がいらっしゃったんですよ。しばらく開発支援の申請が無いけど最近はどうですか?ということで。それで申込書類や手続きが大変なのでと話したところ、そんなことはない、しっかりサポートするからと言って頂いたんです。それならお願いしようと決めました。結果、支援をお願いして本当に良かったと思っています。

山本)全てがご縁ですね。運命的なものを感じます。

専務)そうですね。やっぱり相談すると違いますね。我々独自でやっていたとしたら全然違う結果になったと思います。売り方やノウハウ、パッケージのデザインなど色々と支援を頂きました。
それが無かったらこんな良いパッケージはできませんでしたし、ワンタッチで開くので量産する時も効率的なんです。見た目だけじゃなく製造過程のことも考えて作ることができました。どんどん生産できますよ。あとは野村商店さんに助けて貰えればまだまだ売れますよ!

山本)そうですか?(笑)。頑張ります!

一同)(笑)

(「つぶ貝のラー油漬」商品パックと食べ方の説明書)

専務)釧路水産振興センターの方にもお世話になりました。食べ方のレシピを色々と考えて貰いました。これがなかなか受けたんですよ。

山本)商品内に入っているカードにレシピが書いてありますよね。

専務)ええ。それがリピートにも繋がっています。今回はこの食べ方、次回はこの食べ方でということですね。

山本)全てが見事に繋がっていますね。ところでこの商品はシリーズ化の予定はありますか?

専務)シリーズ化します。来年のトレードショーまでに第二弾を出したいと思っています。

山本)そうなんですね!嬉しいです。数種類を詰め合わせにするとライズ北海道でもPRし易いと思っていたものですから。商品内容についてはまだ極秘ですか?

専務)極秘ですね(笑)。でも原料は言えますよ。第二弾はイワシ(鰯)です。道産イワシ。今とても獲れているんですよ。でも殆どミールにしてしまっているので、こんなに美味しいイワシをミールにするだけじゃ申し訳ないと思って。原料として使えないかなと。イワシを使って同じシリーズのものを作ろうと思っています。

山本)素晴らしいです。同じ箱の規格で常温タイプとして?

専務)そうです。パッケージの色を変えて作ります。最終的には何種類かになったらセットにして御中元、御歳暮でも使えるようにしたいというイメージです。その他にも、まだ私の頭の中の構想ですが、冷蔵の「湿原紀行」という瓶詰めのシリーズを常温化できればと考えています。

山本)色々とアイデアが出てきて専務ご自身も大変なんじゃないですか?(笑)

専務)もう歳だからそろそろかなと思いながらも(笑)

山本)いえいえ、まだまだお願いします(笑)

専務)そうですね。応援、支援して頂いてる方々に感謝をしながら、釧路のため北海道のためにもラストスパートをかけて良いものを作っていきたいと思います。

山本)では10年後は10種類のシリーズになっていますね。

専務)そうなればいいですが(笑)。会社としてもやる気十分なのでこのシリーズを当社の基盤にして残していきたいと思います。

北海道の食の未来について

山本)最後に北海道の食の未来についてはどうお考えですか?

専務)水産業界は不漁の影響で原料不足が深刻です。そういった状況の中、単一の素材でつくる商品は原料が無くなれば製造できません。ダメージが大きいですよね。これが無ければ作れないという形だと厳しいです。なので今後は原料の複合化、複合商品に力をいれるべきだと考えます。何かが無くても他で補えるという形が理想です。水産だけでは無く、農産品も含めた複合商品をつくることで、生き残っていけるのではないかと考えています。また獲れるだろうという楽観的な見方は危険です。

多品種複合商品という形が重要だと思います。長く続いていくためにはアイデアと知恵が必要になってきますね。

山本)貴重なお話を聞かせて頂き、ありがとうございました。これからも楽しみにしています。

 

伝統製法を踏襲しながらも独自の手法やテイストを取り入れ、常にアイデアを産み出し、ユーザーの声に耳を傾け、地域を愛し、縁を味方にし、長く続いてゆく。

おが和さんの取材を終えた後、私はエマーソンの名言を思い出しました。

 

『人は、尊敬するが故にのみ尊敬せられる。』

 

作り手と売り手が互いにリスペクトし、作り手が買い手の声を尊重し、地元や支援者を敬うということ。

関係する全ての人を尊ぶからこそ、企業と商品が求められるのだと強く感じた次第です。

(商品開発について語る小川専務-直売所にて)

インタビュー中は終始、朗らかに語る小川専務でしたが、その裏には人に見せることのない“生みの苦しみ”や“弛まぬ努力”があることを感じ、同じ北海道の食に携わる者として、その言葉に感じ入る自分がいました。

 

頂いた数々の金言はもちろん「北海道食宝」であり、その想いと取り組みをこれからの人たちに伝えていかなければならないものと感じております。

雄大な自然の中で育まれた素晴らしい北の食材たち。

そしてそれを昇華させる匠の技が人々の心をより豊かにし、人と人とを繋げてゆく「Hokkaido Foods Treasure」です。

ライズ北海道では「おが和」さんの商品を販売中です。是非、同社の想いと共にその味をお楽しみください。

企業情報

◆企業名|株式会社おが和
◆住所|釧路市材木町21‐27
◆電話番号|0154-42-7171

 

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