2020-08-28 “幸せ”という概念を具現化した鶴居村“ハートンツリー”の魅力に迫る|HFT7

“幸せ”という概念を具現化した鶴居村“ハートンツリー”の魅力に迫る|HFT7

現在、世界中から注目されている「北海道ブランド」。

広大で豊かな大地とパイオニアスピリッツから生み出される名産品の数々は、多くの人々を魅了して止みません。

雄大な自然が広がる北海道は正に食の宝庫です。

厳しい気候と向き合い、時には調和し、時には抗いながらも大切に育てられた野菜や果物や穀物。広大な大地で安全に育て作られた畜産や乳製品。栄養豊富な大洋から水揚げされる新鮮な魚介類。その他、様々な自然の恵みが私たちの生活を豊かに彩り、充足をもたらしてくれます。

そして、その恵まれた素材や原料を活かした魅力的な加工食品も多く製造されています。

ライズ北海道では、道内において優れた食への取り組みを行っている企業や団体、また個人も含めて「北海道食宝」としてご紹介しています。

北海道の食産業に携わる方々の情熱や想いを知り、それを感じて頂くことによって、一人一人が刺激を受けたり、インスパイアされる。それが北海道全体の昂りや興隆に繋がればという願いを込めて、今後も鋭意取材を続けていきたいと思っています。

さて、今回の取材でお邪魔したのは鶴居村の「ハートンツリー」さんです。

食・体験・交流をテーマとした『㈱丘の上のわくわくカンパニー』の中核となるファームレストランとして1999年にオープンしました。

(ハートンツリー店内)

<丘の上のわくわくカンパニー沿革>
1999年 地産地消のこだわりファームレストラン「ハートンツリー」OPEN
2000年 星空を独り占め、丘の上のゲストハウス(宿泊棟)OPEN
2013年 やさしいハートのチーズを創る「丘の上のチーズ工房」稼働
2014年 ハーブや料理が学べる体験&宿泊工房「グーテンガーデン」完成

この記事の中では、同社が世界中に伝えたいという鶴居村の大自然と恵み、そして理念、更にはその類まれな商品開発にかける想いについても迫っていきたいと思います。

お忙しい中、お時間を頂き、代表の服部さんにインタビューをして参りました。

溢れ出るバイタリティー、そのお人柄やワールドワイドなご活躍、心に響く人生の暮らし方など、こだわり満載のインタビューをご覧下さい。

代表取締役 服部佐知子さん(株式会社 丘の上のわくわくカンパニー)
取材=山本、吉本(撮影)

創業の経緯は「たまたま」?

(服部さん ハートンツリー店舗前にて)

山本)今日はお時間を頂きありがとうございます。色々とお忙しいところ恐縮です。では早速お話を伺って参りたいと思います。先ず、服部さんはどちらのご出身ですか?

服部さん)私は阿寒町出身です。

山本)そうなんですね。服部さんの雰囲気から想像するに南仏とかのご出身と思ったのですが。

一同)(笑)

服部さん)普通に阿寒です(笑)夫が大阪出身で、元々は家族で大阪で暮らしていました。そして家族と共に移住して私はUターン、夫はIターンっていうのかしら?

山本)ここは元々、服部さんの土地ですか?

服部さん)いいえ。移動してきてたまたまこの土地をみつけました。そしてここに住むことになりました(笑)

(丘の上に建つ服部さんのご自宅)

山本)たまたまですか(笑)ここは環境もいいし、景色も最高ですよね。

服部さん)そうなんです。でもここら辺一帯は当時普通の牧草地だったので、そもそも全然道路がありませんでした。ここはたまたま通ってたのですが、他は全く通ってなくて、おまけに電気も無い、水道も無い、とてもじゃないけど周りには「人が住むところじゃないよ」とか言われてました(笑)

山本)整備するのも相当大変だったでしょうね。

服部さん)本当に大変続きでした。ここに来た当初は農地に住むこと一つをとっても、普通の人(非農家)は簡単に(農地を)買うこともできないので色々と大変でした。
でも住んでみて、とっても素敵なことに気づきました。壮大な景色、満点の星天。私たちが気付いた多くの素敵なことを是非たくさんの人に知ってもらいたいと思い、始めにレストランを開店しました。その後、24時間素敵だということも伝えたくて宿泊施設も始めました。

(丘の上から見える降り注ぐような満天の星空)

山本)!?では、元々開業を考えていたわけでは無かったのですね。

服部さん)元々は家を建てて住むだけ、先ずはそれだけでした。でも私は食の仕事をしていたので、ゆくゆくはという漠然としたものは持っていました。

吉本)ガーデン体験もできるのですね。

服部さん)そうです。隣でやってます。ゲストハウス(宿泊施設)も別にありますよ。
是非ご家族でどうぞ。ゲストハウスはキッチンもあって、ツインの部屋が3室あります。ガーデン体験以外にもチーズ作りの体験もできたり、楽しい事が一杯ですよ。

 

素敵な酪農応援団

服部さん)このコーヒーに朝絞ったばかりの牛乳を入れて飲んでみて下さい。とっても美味しいでしょ。この牛乳は甘くてとっても美味しいんです。それに合わせてコーヒーも深煎りにしています。

(朝搾りたての「幸せ牛乳」)

山本)とても美味しいです。見た目で色(牛乳)が濃いですね。

服部さん)農家さんによって味が違うんです。エサも違うし、環境も違うので。

山本)先ほど、ついそこにいたヤギの乳ではないですよね?(笑)

服部さん)違います。牛です、うし、牛乳(笑)ヤギは昔、搾ってましたけどね。牛乳だけで飲んでみてください。

吉本)甘い!美味しい!これは搾りたてそのままで何も加えてないのですか?

服部さん)何にも加えてないです。(山本 吉本:驚く!)絞った牛乳を温めただけです。びっくりでしょ?
ここは酪農の応援団としてつくったレストランなので、全ての料理にこの牛乳を使っているんです。チーズもこの牛乳でつくっているから凄く美味しいんです。

(店舗前で草を食むヤギ)

山本)酪農家さんから直接仕入れているのですか?

服部さん)菱沼さんという酪農家さんから仕入れてます。そこは3人も跡継ぎがいます。息子さんが3人とも帰ってきて、皆お嫁さんもいて子供もいて大家族でやってるんですよ。凄く幸せな酪農家でしょ?

山本)へぇー。今は後継者もいなくてお嫁さんも来ない。よくそんな話を聞きますけどね。

服部さん)そうですよね。だから私、これを「幸せ牛乳」って呼んでるんです。聞いただけで凄く幸せになりますよね。酪農応援団としては、この幸せな美味しい牛乳をレストランの料理にはもちろん、チーズの原料やコーヒーのミルクにも使っています。そうそうないと思うんですよね。菱沼さんのような幸せな酪農家は。

吉本)本当に美味しいですね。私の娘も牛乳が大好きで毎日飲んでます。

(広大な丘の上にあるブランコ)

服部さん)本当はうちも牛乳自体を商品にして販売することも考えましたが、その施設がないので代わりにチーズをつくって販売しています。

山本)裏庭が広大なので、牛を放し飼いにすればいいのでは?(笑)ストレスフリーで良い牛乳が搾れそうですが。

服部さん)ですよね。酪農は本当にやろうと思いました。なぜなら、ここは酪農の村だからです。でも周りを見渡せば酪農のプロがたくさんいるので、何も私が頑張ってやらなくてもいいかな?って(笑)
それよりも、美味しい牛乳を提供してもらって、私はそれを商品にしたり、お客様に提供したりする方がいいという考えに至りました。

山本)そうですか。残念です・・。牛と一緒に私を丘の上のストレスフリーな環境で放牧して欲しかったのですが・・。

一同)(笑)

山本)分業ですね。それぞれ得意な分野でみなさん地場を盛り上げているのですね。

服部さん)全体を考えて、うちの役割はそこだなと思いました。

 

企業理念は「幸せのお裾分け」

(理念について語る服部さん&様々な姿を見せる風景)

山本)企業理念はどのような?

服部さん)私たちの企業理念は「幸せのお裾分け」です。

山本)「幸せのお裾分け」!? 是非、私も頂きたいのですが・・。

一同)(笑)

服部さん)私たちは大自然が溢れる場所に住んでいて、広大な景色や美味しい食材があって、それをとにかく多くの方々に知って頂きたい、その幸せを是非”お裾分け”したいと思ってやっています。
そのためには先ず自分達がその暮らしの良さを心から実感する必要があると思います。恵まれた食材を食べて美味しいと感じるものを伝えて、美味しいと思ったものしか人様にお裾分けは出来ないと思っているので、そこに強いこだわりをもっています。

山本)服部さんがどんどんがお幸せになることで、我々も少しずつ幸せになれるということですね?

服部さん)そうですね。例えば先ほど飲んで頂いた牛乳もそうですが、酪農家さんは1年中365日、一生懸命美味しい牛乳を搾っています。それを是非皆さんに知ってもらいたい、そのためにこの牛乳を使って色々なものをつくっています。
そしてもう一つはエコ、環境問題についてです。ものを捨てないこと。地球のためにも皆で考えましょうという提案もしています。

(ハートンツリーの手作りオリジナルエコラップ)

エコっていうと表現が硬くて、活動家??という感じがしますけど、ハートンツリーはお洒落にエコというスタイルでやっています。お洒落という響きだと入りやすいと思うんです。入り口として、こんな風に(エコラップ)可愛いものから皆さんに提案しています。それをお客様にも取り入れてもらって、それがエコに繋がるんですよと。
プラスチックは土に戻らないので、マイクロプラスチック問題を考えると、自然に還らないものはなるべく止めたいというところから始めました。
そこで、ハートンツリーはプラスチックを使わないオリジナルのエコラップを提案しています。

吉本)意識の高さを感じますね。

服部さん)布に蜜蠟(蜜蜂の巣を構成する蝋を精製したもの)をかけてインクも自然なものでつくっています。布を染めるのは残り染めといって伐採した桜の枝を利用して染めています。他にもヨモギ餅をつくった時に本来捨てる部分を絞って染めたり、エゴマ(荏胡麻。シソ科の一年草)で染めたり、だから残り染めというんです。

吉本)なるほど。エコラップは再利用出来るのでしょうか?

服部さん)当然何回でも使えます。

山本)結構コストは掛かりそうですよね。

服部さん)そこも含めて皆が考えていかなくてはならないことだと思います。地球のことを思うと。
少し話が大きくなり過ぎましたね。これに限らず食の製品についても、素材そのままを丸ごと活かして「捨てない」「無添加」にこだわっています。自然にも体にも優しいもの、それがハートンツリーらしさだと思っています。「ホエイキャラメル」も、うちの考えを象徴する商品です。

(同社の理念を象徴する商品の一つ「ホエイキャラメル」)

山本)原料がチーズの副産物であるホエイ。正に象徴ですね。

服部さん)多少の手間暇やお金がかかったとしても、皆でそういう生活をしたいなと思っています。ここに住んでいるからにはそういうサイクルで自然と共に生きる。それが私たちの理念とこだわりです。

山本)全てに優しいですね!人間にも自然にも地球にも優しい生活。既に我々も幸せのお裾分けを頂いたようです。この牛乳もそう。大変ご馳走様でした。

商品開発の歴史とノーステック財団の支援について

吉本)商品の歴史について教えて頂いてもよろしいでしょうか?

服部さん)一番最初に作ったものはハーブソルトです。
イタリア産の塩を自家製のハーブで染めています。キンセンカが含まれているので免疫力がUPします。ローズソルトは気持ちが穏やかになります。熊笹とローズマリーは頭がスッキリします。記憶力を高める効果も期待できます。
その次はハーブティーを作りました。そしてハーブハニー。その後チーズ工房ができたのでチーズをつくり、ホエイパンをつくり、ホエイキャラメルという順番です。
熊笹は近くにたくさん生えていますし、ハーブは目の前で育てています。一面全部がハーブです。

吉本)私事ですが、ステイホーム期間中に料理を始めました。だから調味料が気になっています。インスタ映えを意識して料理しています。

山本)女子か!?

一同)(笑)

服部さん)一押しは白カビチーズです。

山本)ハートンツリーさんのハートを模ったものですね。

服部さん)そうです。幸せのお裾分けだから”ハートのかたち”です。ハートは幸せ。

(ハート型の白カビチーズ)

山本)ホエイキャラメルと言えば、ノーステック財団の開発支援製品ですね。

服部さん)そうですね。ホエイキャラメルについては色々とご協力を頂きました。商品パッケージやデザイン関係、食べた食感や日持ち度合い等、多くのことを支援してもらいました。

山本)ホエイを活用するという形だと他にも色々あると思うのですが、なぜキャラメルにたどり着いたのですか?

服部さん)とにかくホエイがたくさん出るので、捨てずに有効利用したいと思ったことが切っ掛けです。例えば4kgのチーズを作ろうとする時、おおよそ40kgもの牛乳を使う、そうすると約36kgはホエイで捨てられてしまいます。でもまだまだ栄養もたくさんあるし、捨てることはしたくない。ハートンツリーの方針として、地球にも体にも優しい生活の提案をしているので、出来るだけ捨てない暮らしをしたい。ホエイを捨てると地球に負荷が掛かってしまうから。そこから先ずはそのホエイでパンをつくってみました。

それでもまだたくさんのホエイが残るので、何か出来ないものかと考えて「ホエイアイス」にかけるものを作ってみてはどうだろうかと。

山本)ホエイから作ったアイスクリームですか?

服部さん)アイスは元々作っていて、商品化はせずにレストランで出していました。ホエイに砂糖と蜂蜜をいれて煮詰めたらジャムソースが出来ないかな?と考え、試しにじっくりと煮詰めてみたんです。少なくするためには煮詰めるのがいいのかな?って(笑)

(ホエイキャラメルとホエイパン。早速スタッフも自宅で頂きました)

吉本)どのくらいの時間煮詰めるのでしょうか?

服部さん)煮詰めるだけで約2日間掛かります。

山本・吉本)ふっ、二日間も!?(驚き)

服部さん)とにかく長い時間根気よく煮詰めます。出来たものはペースト状なのでパンにつけて食べてください。あとはホットミルクに入れても美味しいですよ。ヨーグルトにかけても美味しいし、他にはケーキのトッピングなどにも使って頂けるかと思います。アイスにかけても美味しいです。

山本)ひょっとしてこれは世界に一つだけのキャラメルでしょうか?

服部さん)そうかもしれません。ホエイキャラメルはうちの物以外では聞いた事が無いですね。

吉本)こちら以外でも購入は可能でしょうか?

服部さん)鶴居たんちょうプラザ「つるぼうの家」で購入出来ます。ここから丘を下ったところにあるお土産物屋さんです。あとは催事の時に持っていくだけですね。

山本)世界でここにしかないホエイキャラメル。帰ったら早速頂きます!

服部さん)開発時はノーステックさんの支援で、酪農学園大学の教授と生徒さん達が来てくれました。食感だとか何を使ったらいいのかということを色々研究して頂きました。極力添加物は入れたく無いので、最終的にはシンプルなものになりましたが、賞味期限の関係などについては現在もノーステックさんに相談中です。

 

台湾輸出向け製品開発中

(カントリー調の可愛い店内)

服部さん)去年(2019年)の4月に台湾事務所ができました。既に何度も現地でパーティーをして、北海道の良さを伝えるような取り組みをしています。チーズやホエイキャラメルなど、持っていけるものは持って行ってます。あとは現地で食材を調達しながらハートンツリーの味を再現して知ってもらうという活動をしています。

吉本)現地で販売もしているのですか?

服部さん)まだ商品の販売はしていません。現地に日本人の社長がいて、ハートンツリーの看板を出して、ここ(鶴居村)のゲストハウスの宿泊予約を委託しています。台湾の人たちは本当に北海道が大好きなんです。
そして、その関係もあって実は今年もノーステックさんに商品開発支援を頂いています。出来上がった商品は台湾に向けての輸出を考えています。
江別にある食品加工研究センターに連携・協力して頂いて、ホエイキャラメルが実はどれだけ日持ちをするのかについて詳しく調べてもらっています。
それを活かして、製造の工程を変えるなど、日持ちを良くできるように検討中です。

山本)支援が力になっていますね。

服部さん)そうですね。他にもキャラメルを使ってヌガーをつくりたいという話もあって。

山本)ヌガー?どんなものでしょうか?

服部さん)ヌガーとは食感でいうと生キャラメルを固くした感じもので、元々はフランスのお菓子なんですが、今、台湾ではもの凄い人気のようです。ノーステックさんのお力を借りて開発中なのですが、これがなかなか難しくて。

山本)どのような点が難しいのでしょうか?

服部さん)ハートンツリーの商品は無添加にこだわっています。なので添加物を加えないで硬さをキープしようとしているんですが、これがとっても難しくて。どうしても溶けてしまう。そこを克服するのが本当に大変です。

(夏のハートンツリー&丘の上から見える雲海)

吉本)あくまでも添加物は入れないのですね?

服部さん)そう、無添加で且つ常温で保存が出来て食感も変わらないというものを求めています。
ホエイキャラメルもおかげさまで常温保存できるようになったので、今は賞味期限3ヵ月以上を目指しています。

山本)その辺は専門家の意見を聞いてですね。

服部さん)しっかりとしたデータの根拠があると私たちも安心です。ただ自分たちで大丈夫ですと言っても、何か起きれば大変ですし、特に今後の台湾輸出を考えると心配です。

山本)科学的根拠が必要ですもんね。それはかなり助かりましたね。

服部さん)ノーステックさんには本当に感謝しています。ノーステックさんと出会えなければ、今もわからないことだらけでした。そもそも科学的根拠といっても、どこに聞いていいのかも分からない状況でしたし、本当に助けて頂いています。おかげで自信にも繋がりました。
ビジネスEXPOや交流会にも参加させて頂き、開発以外にも色々と教えて頂きました。

山本)製造だけではない部分の支援も含めてですね。

服部さん)その通りです。困った時のアドバイス先も教えてくれるので本当に助けて貰っています。

 

新型コロナの影響について

(ハートンツリーには世界中から宿泊客が訪れる)

吉本)どちらから来る人が多いですか?

服部さん)都会の方が多いですね。全道そして、全国からもいらっしゃいますよ。
新型コロナウイルスの感染拡大前は外国の方もとっても多かったんですよ。あまりに多いので英語のパンフレットも用意してるくらいです。

吉本)世界中からですか!?

服部さん)世界中からきてましたね。特に宿泊は外国人の方が多いですね。うちでは海外青年ボランティアもやっているので時期によっては、ここが外国みたいですよ(笑)
でも今はコロナの影響でだいぶ寂しい状態になっていますが・・。

山本)となると、新型コロナの影響というのは、かなり大きいのですね?

服部さん)かなり出ていますね。特に宿泊の影響がとっても大きいです。レストランは一時期に比べるとだいぶお客様も戻ってきたのですが(取材は7月下旬)宿泊はまだ全然です。かろうじて今年のお盆休みは予約が入っていますが、それ以外は全然です。

吉本)例年だったらもう、ほぼ満室状態ですか?

服部さん)おかげ様で。現在は息子夫婦が一緒にやってくれてるのでだいぶ楽にはなりましたが。例年であれば多忙な毎日です。レストランをやって、宿泊の準備もして、商品もつくってと。忙しくても充実した幸せな日々の筈でした。それもコロナの影響で寂しいものになっています。
今は、リピーターの方々が連泊で来て下さったりして支えられています。たぶん応援の意味も兼ねて来て頂いていると思うのですが、本当にだいぶ助けられています。

山本)人の心の温かさを感じますね。

服部さん)とても嬉しいです。もう親戚みたいなので。みなさん何回も来て頂いて。私たちも楽しみに待っていて、お客様のお子さん達もその都度成長して大きくなっていって。それを見るのも楽しみなんです。

(服部さんが愛するお子さんたち)

山本)服部さんのお人柄が皆さんを惹きつけてますね。

吉本)一度宿泊したところに、もう一回泊りにいって自分の名前や顔を覚えてくれていると、凄く嬉しくなっちゃいますね。

服部さん)うちの宿泊施設はそんなに大きくは無いので覚えていられるのかなと思います。連泊してもらって、会話を楽しんだり、一緒にご飯を食べたりすると覚えやすいし、思い出にも残るのかなと思います。

山本)一緒にお食事されるのですか!?

服部さん)連泊のお客様とはすることありますよ。昨日も丁度、自宅で一緒にご飯を食べました。

山本)自宅にお招きして??

服部さん)昨日はお客様が一組だったので一緒に食べました。他にも連泊のお客様とレストランで一緒に食事をしたり。直ぐに友達になってしまいますね。

吉本)親近感が凄いですね。服部さんご自身も働きながら楽しんでいらっしゃいますよね。

服部さん)そうなんです。凄く楽しいんです。夜はお客様と一緒に食事と会話を楽しみながら、ずっとビール飲んでます(笑)
自宅にギターがあるので、好きな方は弾いて遊んでます。たまに外でライブとかもしますよ。凄いおすすめですよ。気持ちいいです。

(丘の上のウェディングパーティー)

吉本)楽しそうですね。外のあの建物は?ハッピーウェディングと書いてありますが。

服部)実はここでウェディングパーティーも行っています。

山本)結婚式??正に幸せのお裾分けですね。分け前がいっぱいもらえそうです。

服部さん)多い時は100人位集まってパーティーをすることもあります。大自然の中で最高ですよ。テントもたくさん張りながらワイワイと。

山本)いいですね!北の国からの結婚式みたいですね。

吉本)憧れちゃいますねぇ。私、すでに結婚式あげちゃいましたけど。

服部さん)もう一回やりますか?何回でも是非どうぞ。ウエディングパーティーはご夫婦で何回やってもいいと思いますよ。皆さん大満足してくれています。

 

ハートンツリーの語源について

山本)ハートンツリーの語源はどういったところから?

服部さん)ロゴは木の上にハート。heart on treeです。自然な木の上でゆらゆらとのんびりしませんか?という意味です。また、私達の名字が服部なんですけど、はっとり⇒はっとんりー⇒ハートンツリーみたいな(笑)夫が大阪人なので言葉遊びが大好きなんですよ。
でも最初の頃は近所のおじさま達がなかなか覚えてくれなくて。「レストラン服部」と呼ばれていました(笑)その時はもうそれでもいいかなって(笑)

山本)確かに。発音のいい外国人の方だと服部=ハットゥウリィー(heart on tree)って聞こえそうですよね(笑)

服部さん)来てくれる外国人の方もたくさんいるので、実はその子達にも発音し易いようにというのも由来の一つです。

(ハートンツリーのロゴが入った什器など

北海道の食の未来と取り組むべきものについて

山本)服部さんが考える北海道の食の未来、そして御社の今後の展開をお聞かせください。

服部さん)北海道の食の未来は明るいと思います。こんなに美味しいものがたくさんあるから。出来るだけ皆で田舎に住んで、出来るだけ自分達が食べるものは自分でつくるか、周りのものを食べて暮らす。そしてそれを捨てずに地球に負荷なく生活するのがいいですね。

食べること=生きること。つまり、食べることって自分の生き方、考え方が出てくるものだと思います。どこから買って食べるのか、どこから採って食べるのか、それを全部食べてしまうのか、残ったものはどうするのか、様々な考え方がありますよね。

山本)人間というか、人格が見えるということでしょうか?

服部さん)そうです。こういった考え方はこれから特に必要だと思っています。地球が無くならないために。皆それぞれが考えて買うべきだし、考えて食べるべきだと思います。
日本はフードロスがとても多い国です。世界中をみると飢餓で苦しんでる人もいるのに日本は何百万トンもロスが出ています。それを考え直すだけでも世界中の飢えで苦しんでる子供たちが少しでも助かるということを感じてもらいたいと思っています。
日本はいい意味で恵まれ過ぎているので、こういった方向感覚を失ってしまう。少し手間が掛かっても、少しお金が掛かっても、次の世代ために皆でそういう生活をしたいなと。

(ハートンツリーの料理と商品)

山本)確かにこのままだと私達の孫、ひ孫の時代は地球がどうなっているのだろうか?と心配になりますよね。

服部さん)コロナを遥かに超えたことが起きるでしょうね。気候変動や、その外にも様々なことが。私の中では全ての事象が考える切っ掛けになっています。

山本)未来を守るために一人一人が考えなくてはならないということですね。

服部さん)うちは全部手造りだから費用とか諸々考えたら凄く高くつくんですけど。パンも毎日毎日作ってますが、全部手でコネて作ってますし、一人では全部できないのでパートさんとかにも手伝ってもらっています。

山本)皆さん、服部さんの考えや理念というものに共感をしてお手伝いされているのでしょうね。

服部さん)そうですね。中にはボランティアで来てくれている人もいて、その代わりにうちでホームスティできますよということもやっています。世界中にそういった組織があって、食とか環境に興味のある人たちが、日本中や世界中からいらっしゃいます。
今は、コロナ禍なので海外には行けないですけど、例年だと毎年何回も行くんですよ。うちにきてくれたフランスのお客様に会いに行ったり、台湾に行ったり色々巡っては共通の環境問題について語ったりとか。
特に台湾は環境に対する意識が高いです。殆どの人がマイボトルを当然のように持っているし、日本はようやくプラスチック袋が有料化されてきましたが、台湾のコンビニでは元々有料なので昔から皆エコバッグを持ち歩いています。ストローもプラスチックは禁止。国が決めたので。それを見習ってうちも台湾製のストローを使っています。サトウキビの搾りかすでつくったストローなんです。そういうエコも凄く勉強になります。

(丘の上から見える美しい夕日、服部さんご夫妻 etc.)

吉本)エコに対して先進的なんですね。

服部さん)日本が遅れ過ぎてるの。日本は喉が渇いたらコンビニへ行くのが当たり前でしょ?

山本)すみません。直ぐ行きます(笑)

服部さん)出来るだけマイボトルにしてください!マイバックと(笑)

山本)すみません。お話を聞いていると、これまで如何に自分がゴミを出して来たのかと・・(苦笑)

服部さん)これを機に先ずは少しだけ考えてみてください。
私たちは、こんなにも素晴らしい自然がたくさんある中で暮らしているので、先ずは「食べる」という一番大事なところから、環境も含めて全部考えていくこと。それが北海道だけでなく世界の食の未来に繋がるものだと思います
フードロスも無くして、食糧もどんどん無い所に送ってあげて。皆がそういう考えになったらいいなと思います。

山本)正に”幸せのお裾分け”ですね。

服部さん)そうですね。あるところからないところへ。

山本)素晴らしい取り組みですね。僕自身もそうですがコストとか利便性やらだけで行動してしまいます。反省です。

吉本・山本)今日は貴重なお話をありがとうございました。

 

店内、敷地内を見渡すと至る所にハートとツリーを模ったものが点在していました。

これらは服部さんや、お仲間が手作りした幸せの象徴のようにも見えます。

その中に何故か気になる一体の人形がありました。

(夢子人形)

服部さん曰く

『これは私の人形です。名前は「夢子(ゆめこ)」。私が夢ばかり語るから皆に「夢子」って言われてるんです。夢子人形なんです。』

服部さんが語る言葉は柔らかく穏やかで自然でいて温かさがあり、その中には全てを包み込むような大きな優しさを感じました。そして同時に確かな理想とブレない芯の存在も感じながら我々はお話を伺っていました。

Life is Happy。幸せを意識し、感じることができる特別な場所「ハートンツリー」。

平和な日本で、住む場所があって毎日ご飯を食べられるのが当たり前という日常。でも世界を見渡せばそれはとても幸せなこと。自分の恵まれた環境に気付けば、それをあるところからないところへと届けることが、本当の幸せをつかむということではないかと感じました。

宮沢賢治の言葉、

『世界全体が幸福にならない限り、個人の幸福はありえない』

最終的に自分が恵まれたことを、どのようにして社会へ還元していくのかが大切なことであり、

『足るを知る者は富み、強めて行う者は志有り』

満足することを知っている者は豊かになる。志を持って行動する者は「足るを知る」の意味が分かるという老子の言葉ですが、服部さんのお話を思い出し、それが「幸せのお裾分け」に繋がるものだと強く感じた次第です。

自然のまま生きて、自然のまま暮らし、自然のまま食べること。

無添加にこだわり、捨てないこと、次世代へと繋いでいくこと。

服部さんが丘の上でワクワクしながら抱く夢の一つ一つが実現していくことで、幸せの分け前が増えていくことでしょう。

頂いた数々の金言はもちろん「北海道食宝」であり、その熱量と想いをこれからの人たちに伝えていかなければならないものと感じています。

雄大な自然の中で育まれた素晴らしい北の食材たち。

そしてそれを昇華させたいという想いと取り組みが人々の心をより豊かにし、人と人とを繋げてゆく「Hokkaido Foods Treasure」だと思います。

ライズ北海道では「ハートンツリー」さんの商品の販売を開始致しますので、是非、同社のストーリーと共に、その味、幸せのお裾分けをお楽しみください。

 

企業情報

◆企業名|株式会社 丘の上のわくわくカンパニー
◆住所|阿寒郡鶴居村字雪裡496番地4
◆電話番号|0154 -64- 2542

 

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