「本当にカラダにいいお酢を…」北の大地から奏でる発酵酢とはちみつのハーモニー~新ひだか町・北海道クラフトビネガー㈱~|HFT17

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北海道クラフトビネガー立ち上げメンバーの6名
2024-09-06

 

取材時は夏。気温が高く暑い日々が続いていましたが、我々ライズ北海道は道内各地に足を運び取材活動を行っておりました。


さて、2023年度ノーステック財団開発支援商品インタビューの第2回は新ひだか町の静内にある「北海道クラフトビネガー株式会社」を訪問して参りました。


同社がある“新ひだか町”は太平洋と日高山脈に囲まれたまちで、夏は涼しく冬は雪が少ない「涼夏少雪」の街です。また、新ひだか町はサラブレッドの故郷として知られており、日本有数の馬産地としても有名です。我々が訪問した日もサラブレッドセールが開催されており、多くの競馬関係者で賑わっておりました。


そんな自然に恵まれた素敵なまちで、本当に身体にいい「お酢」をつくりたいと考え、北海道産の食材を使用した発酵酢を開発・販売している北海道クラフトビネガーさん。同社の設立はつい3年前の2021年ですが、その間にいくつもの魅力的な商品を世に送り出しています。


今回、貴重なお時間をいただき、発酵酢を開発することになった経緯や今後の展開など、様々なお話を社長の渡辺さんと取締役の八木さんから伺ってきましたので、どうぞご覧ください。


 

「本当にカラダにいいお酢を…」北の大地から奏でる発酵酢とはちみつのハーモニー~新ひだか町・北海道クラフトビネガー㈱~|HFT17

北海道クラフトビネガー㈱:取締役社長 渡辺英人さま

同:取締役/プロジェクトマネージャー 八木皆美さま

ライズ北海道(取材):山本、亀山

〔丁寧に取材に対応してくださる八木さん〕

 

―本日はよろしくお願いします。早速ですが、まずは北海道クラフトビネガーについて教えてください。


渡辺さん:北海道クラフトビネガーは2021年に設立した発酵酢の開発・生産・販売を行う会社で、私と八木を含めた6名で活動をしています。ルーツもみんなバラバラで、経営・飲食業・製造業・デザイン・広告と異なる経歴なんですよね。


 

―いまのメンバーが集まったのはどういう繋がりがあったんですか?


八木さん:静内で「お料理 あま屋」を営んでいた天野さん(代表取締役)と谷さん(取締役)。その二人と渡辺さんが北海道が開催する「地域フード塾」で出会ったことがすべての始まりでした。櫻本さん(監査役)は天野さんと同い年でお友達。三岡さん(監査役/デザイナー)は渡辺さんと知り合いでした。私は前職の営業先が「あま屋」だったこともあり、天野さんとは知り合いだったんです。


※静内にある日本料理・郷土料理店


 

―全員が元々知り合いだったわけではないんですね!では、ルーツが異なる皆さんで発酵酢を開発することになったキッカケを教えてください。


渡辺さん:もともと天野さんと私がキッカケなんですよ。私が健康に気をつかって「お酢」を飲むようになった頃、たまたま晩酌中の天野さんから電話があったんです。お酒を飲めない私に対して天野さんが「お酒飲めない渡辺は夜に何を飲んでるの?」と聞いてきたので「最近は健康に良いお酢を飲んでます」と答えました。すると「知り合いにお酢を研究している人がいるから北見に行かないか?」という話になりました。


 

―晩酌中の電話からはじまったんですね(笑)


渡辺さん:そうですね(笑)それで一緒に北見産学医協働センターの有田先生と金澤先生に会いに行って、お酢についていろいろ教えてもらったんです。当時はコロナ禍でみんな健康を意識していた時期だったこともあり、帰り道に天野さんから「道産食材で健康に着目したお酢を作ろう」という話があって、会社を設立することになったんです。


 

―トントン拍子ですね!そこからSUNOMOの開発が始まったということですね。


渡辺さん:そうなんです。結果、SUNOMOの共同研究パートナーとして有田先生と金澤先生のバックアップを受けて、ノーステック財団さんにも開発支援をいただき、2021年開発支援商品としてSUNOMOが完成しました。また、商品化に際しては各分野に詳しい人材として、いまのメンバーにも協力してもらうことになりました。


   

〔左上から三岡さん/天野さん/渡辺さん/櫻本さん/八木さん/谷さん〕

 

―晩酌中の1本の電話からはじまり、商品化にまで至ったと考えると凄い“縁”が繋がってできた商品ですね(笑)。さて、ノーステック財団の名前が出ましたが、2023年度もノーステック財団の支援で商品開発をされたようですね。


八木さん:そうですね。ありがたいことに再度、開発支援をいただける事になり、「SUNOMO Rich」シリーズとして「はちみつ発酵ビネガー」を開発しました。


 

―「はちみつ発酵ビネガー」についてですが、今回はなぜはちみつを活用しようと思ったんですか?


八木さん:多くのイベントに出店する機会をいただいた中で、同じ新ひだか町にある太田養蜂場さんと一緒に出店する機会が多くて、SUNOMOの原液タイプと太田養蜂場さんのはちみつを混ぜて召し上がってもらうこともあったんです。その中で最初からお酢とはちみつが混ざっている商品を開発したいねという話になり、この開発へと至りました。


 

―一緒にイベントに出ることがなければ新商品は生まれなかったのかもしれないですね!お酢とはちみつ・・・単に混ぜるという訳ではないと思うので苦労されたことが多かったのでは?


八木さん:そうですね。商品化されたのは「百花蜜」「オオハンゴウソウ蜜」「シナ蜜」の3種類ですが、開発段階では「ホワイトクローバー蜜」と「アカシア蜜」の2種類も候補として挙がってたんです。この5種類と3種類のお酢を様々なパターンで組合わせて試食したときに食べ合わせが良かったのが商品化された3種類でした。普段ははちみつの食べ比べをする機会ってなかったんですけど、食べ比べてみたら全然味が違うんです。例えば、シナは香りが強い味わいなんですけど、シナとは逆に今回選ばなかったアカシアは結構スッキリしたシンプルな味だったりして、はちみつとお酢でそれぞれ特徴がある味なので、それぞれの特徴が消えないようにすることに苦労しました。


 

〔はちみつ発酵ビネガー〕

 

―お酢とはちみつというシンプルな組合せですが、特徴のある素材だからこその苦労かもしれませんね。


渡辺さん:そうなんですよ。苦労話で言うと他にもあって、最初にノーステック財団さんへ申請した際は、お酢の味は「ハスカップ」「トマト」「アロニア」で申請していたんです。


 

―ブラックベリーではなくてアロニアだったんですね。


渡辺さん:そうなんです。アロニアを発酵させるのに苦労して商品化が難しいということになりました。それで代替案として素材を探す中で函館産のブラックベリーに辿り着いたんです。実はブラックベリーを生産している農家さんって珍しいそうで、それで食べてみたら凄く美味しかったのでブラックベリーを使用することになりました。


 

―ハスカップもそうですが、ベリー系の素材にこだわりがあったりするんですか??


八木さん:ベリー類って身体にやさしいですし、素材の香りもすごく良くて、発酵もしやすいんですよね。SUNOMOの商品テーマが「お酢で人々が健康で笑顔になる事」なので、素材はなんでもいいっていうよりは、少しでも身体にやさしい素材を使用したいと考えています。その中で自然とベリー類を選択しているのかもしれませんね。


 

―ベリー類は免疫力の向上や美肌効果もありますし、食物繊維も豊富なので健康食材として魅力しかないですね!


 

〔スプーンで〕

 

―「はちみつ発酵ビネガー」のお話を伺いましたが、本製品の開発にあたりノーステック財団からの補助金や支援はどのように活用しましたか?


八木さん:補助金については、私たちが日ごろ作っていなかったブラックベリーのお酢を開発するための試作に活用させていただきました。補助金も勿論ですが、1番ありがたかったのは商品化した後です。様々なところで商品の紹介をして貰ったり、ビジネスEXPOなどでのモニタリングの機会をいただけたことなど、本当にありがたかったです。


 

―補助金は勿論ですが、企画・開発・販売まで手厚いフォローをしてくれるのはノーステック財団だけかもしれませんね。


八木さん:ノーステック財団さんの支援がなければ、いま販売している商品は全く違う展開になっていただろうと思います。


 

―ノーステック財団の支援はそれだけ商品開発や販売に対する影響力があるということですね!


 

〔出荷作業を行いながら取材対応をして下さった渡辺さん〕

 

―最後の質問になりますが、北海道の食の未来についてお考えを聞かさせてください。


八木さん:いまも様々な道産食材の利用を検討しているところですが、どうしても収穫時に形やサイズが悪いという理由で廃棄してしまう食材が出てくるので、それを有効活用してお酢に変えようという取り組みをしています。その取り組みを通して北海道の食材の別の楽しみ方を提供するということをテーマに、我々6人は活動しています。


 

―食品廃棄は社会問題にもなっているので、大変良いお取り組みだと思います。


渡辺さん:北海道の農家さんの中には、とても良いものを作っているのにそれを外に出せないという課題を抱えている方々がいます。我々はお酢という健康に携わる商品を開発する中で、その良いものを良い形で伝えられるキッカケになればと思っています。


 

―それが北海道の食の未来に繋がるということですね。


八木さん:そうですね。それと食べた人も健康であって欲しいなと願っています。


渡辺さん:健康にいいと書いてある商品でも裏面を見たら身体に良くないものが入っているということもあるので、我々はそうはならずに本当に身体に良いものだけを皆さんに届けたいと思っています。


 

―我々もその想いを発信できるように頑張ります!本日は貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました。


 

〔加工場近くでの一枚〕

 
 

取材を終えた後、私はラルフ・ワルド・エマーソンの名言を思い出しました。


 

『健康は第一の富である』


 

人類最古の調味料とも言われている“お酢”。


美容と健康をもたらしてくれる食品として、古くから人類の生活に深く関わってきました。


北海道クラフトビネガーさんは、その“お酢”の新たな可能性を広げ、子供から年配の方まで誰でも飲みやすく食べやすい味を追求するとともに、日々の生活の中で親しみやすい商品開発に取り組み続けています。


そして、健康をもたらしてくれる“フルーツビネガー”の製造・販売を通して、購入された方々に多くの“富”を与え続けてくれていると感じました。


健康そのものが一番の“富”であり、健やかに暮らせる日々、それが正に“富”であるということを改めて感じながら、我々は新ひだか町を後にした次第です。


ライズ北海道は今後も北海道クラフトビネガーさんを応援します。


また、皆さまのご健勝を心からお祈りしております。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。


 
(ライティング:亀山将人、編集:山本純己、亀山将人)  

 

企業情報

◆企業名|株式会社北海道クラフトビネガー
◆住所|北海道日高郡新ひだか町静内御幸町2-5-51
◆ホームページ|https://shop.sunomo.jp/